RAID5解説その2 安全に使うためには? [パソコン]
「RAID5解説その1 本当に安全?落とし穴に注意!」
http://rice-one.blog.so-net.ne.jp/2011-02-19
で、RAID5の長所・短所について説明しましたが、
安全に使えればRAID5はパフォーマンスも良くて、
かなり利用価値があります♪
実際に、安全な機種選びや使い方は次の通りです。
①性能の欠点を補う
RAID5はデータをストライプ(千切り)にして、
更にパリティデータ(誤り訂正ビット)を演算して、
複数のHDDに分散して保存するため、
書込み速度が遅くなります。
これを解決するために、ビジネス用のRAID5装置では、
大量のキャッシュメモリ(数GB単位)を搭載して、
メモリ上に記録した時点で書込み終了として、
その後、メモリからHDDに書込んで性能を向上してます。
家庭用のNAS(ネットワーク対応の記憶装置)なども、
なるべく多くのキャッシュメモリ搭載してる機種がいいでしょう。
②HDDが故障した場合の安全を確保
RAID5でHDDが故障した場合、1台なら問題ありませんが、
縮退運転となって書込みが制限されるなど、性能が低下します。
また、交換用のHDDを用意する間に、
もう1台のHDDが故障すると完全にデータが失われます。
そのため、RAID5を構成するHDDの他にスペアHDDを搭載して、
HDDが故障した場合、自動でスペアHDDに復元する、
オートスペア機能に対応した機種か、
更にパリティデータを二重にしたRAID6に対応した機種だと、
HDDが2台まで故障してもデータが失われません。
③意図しない電源切断によるデータ消失を防止
RAID5はデータをストライプ、パリティデータと分割してるため、
停電や電源ユニットの故障などで、
いきなり電源が切断されると、保存途中だったファイルが壊れて、
最悪はRAID5の全体(ファイルシステム)が壊れることがあります。
できれば、UPS(無停電電源装置)を用意できればいいのですが、
家庭用のUPSでは、UPS自体のトラブルでの停止も少なくないので、
バックアップ用の外付HDDに定期的にバックアップをとるか、
自動バックアップ機能が搭載されている機種が安心です。
ビジネスモデルの例では、
電源が切断されたら、キャッシュメモリ用のUPSが作動して、
書込み途中のキャッシュメモリの内容を自動でバックアップして、
次回起動したときに実データとバックアップ内容を比較して、
データの整合性を合わせる機能があります。
④HDDが壊れるリスクを少なくする
HDDの弱点を知って、壊れないような運用をしましょう!
・電源のオン/オフ時
→ディスクが回転を始めるとき、
モーターの負荷や、ヘッドとディスク面の磨耗があります。
実際にサーバは、電源オンしたときに故障が多いです。
・寒いときに電源投入して温まってきたときの結露
→機械ですから水分に弱いです。
・高温
→PCパーツ全般に言えますが、温度の上昇は寿命を縮めます。
なるべく停止せず、装置の発熱、空気の循環や室温に気をつける、
というのが大事です。
また、HDDには書込み/読込みエラーが発生しますが、
再度書込み/読込み(リトライ)をして問題なければエラーとしません。
古いHDDになるほどリトライが多くなりますが、
妙にアクセスランプが点灯したり、
書込み/読込みに時間がかかるようになったら、
交換用のHDDの在庫の確認など、注意しましょう。
RAID製品によっては、このエラー頻度をみて、
ある程度エラー(リトライ)が多くなったら警告する機能もあります。
以上、これぐらいを注意すればいいと思います。
①②は、対応した機種は高価なので、
最低でも③のバックアップは実践して、
④の運用をすることをオススメします。
特に、これは何度も書いてますが、データを壊す場面は、
誤ってファイルを更新、知らない間にソフトで更新・削除される、
ということが多いので、
③のバックアップできる環境は用意することが必要だと思います