RAID5解説その1 本当に安全?落とし穴に注意! [パソコン]
最近、PC用周辺機器メーカから発売されている、
外付HDDやNAS(ネットワーク対応の記憶装置)などで、
「RAID5対応で安全、高速」と宣伝があって、
ちょっと高価だけど、だいぶ安くなってきたし、
RAID5対応ってのを買っておけば安心!と思いがちです。
しかし、リスクや注意することがあって、
安易に導入してしまうと危険です!
仕事柄、サーバやストレージ(記憶装置)の見積りや導入、
システム設計・開発・保守・運用する立場として、
リスクや運用方法について説明していきたいと思います。
まずは、よく耳にするRAIDモードについて簡単に説明します。
①RAID0とは
1つのデータをストライプ(千切り)にして、
複数のHDDに分散/保存することで、
書込み/読込みが効率よくなります。
性能:読み書きが高速
容量:最低構成は2台で1組で、HDDの容量全てが使用できる
保全:1台でもHDDが壊れたら全てのデータがなくなる
②RAID1とは
1つのHDDをミラーリング(鏡:コピー)して、
複数のHDDに同時に保存して、データの保護をします。
性能:書込みが低速
容量:HDDは2台1組で容量は1台分のみ使用できる
保全:HDDが1台故障してもデータは壊れない
③RAID10(1+0)とは
①と②を組み合わせて、
高速性とデータの保護性を両立します。
性能:読込みが高速
容量:最低構成は4台で1組で、容量は半分のみ使用できる
保全:HDDが1台故障してもデータは壊れない
④RAID5とは
1つのデータからパリティデータを演算して作成し、
ストライプ(千切り)にして複数のHDDに分散/保存します。
※パリティデータとは
データの一部が壊れたときに、
他のデータから演算して復元できるようにする、
誤り訂正ビットというデータ。
性能:読込みが高速、書込みは演算するため低速
容量:最低構成は3台で1組で、容量は台数-1台分が使用できる
保全:HDDが1台故障してもデータは壊れない
ということで、RAID5では、
容量(1TBのHDD×4台なら3TB、3台なら2TBが使用できる)と
データ保護のバランスがいいということを宣伝してますが、
注意する点は説明がなく、説明があってもわかり難くなってます。
RAID5でHDDが故障した場合、
縮退運転となって、書込みが制限されたり、性能が低下するので、
通常の利用はできません。
縮退運転は、
読込みができるうちにバックアップしなさいという意味で、
どこにバックアップするの?同じ容量のHDDの用意が必要だよね?
ということになります。
でも、RAID5は故障したHDDを差し替えれば復旧するから、
バックアップは必要ないよね?とも考えられますが、
同じHDDをすぐに用意できるの?という問題があります。
お店に在庫がなかったら注文しないと入手できないし、
予算の都合や、年数が経ってたりすると、入手まで日数がかかって、
その間はまともに使えないし、もう1台HDDが壊れたらアウトです。
それに、HDDを交換するには停止が必要な機種が多く、
HDDは起動直後に壊れやすいということも考えないといけません。
それを解決するのは、オートスペア機能で、
RAID5を構成するHDDの他に、スペアHDDを搭載していて、
HDDが故障した場合、自動でスペアHDDに復元する仕組みです。
ただ、オートスペア機能を持っている機種は、
かなり高価になりますね・・・
2年、3年・・・と使用していてHDDを交換するときに、
もっと性能が良くて2倍、3倍の容量のHDDが同じ価格で買えます。
なんかバカらしいですね(汗)
最後に、
データが壊れる状況を考えると、
誤ってファイル更新してしまったり、
知らない間にソフトで更新・削除されてしまってたり、
ということが多いと思いますが、
この場合はRAID5といえどもデータの復旧はできません。
纏めると、
バックアップ用HDDも用意して、
定期的にバックアップすることをオススメします!
個人的には、
ビジネスやゲームなどなど極端にパフォーマンスを求めない限り、
RAID1(ミラーリング)+バックアップHDDで充分だと思います。
コスト的にも、HDD2台の製品と外付HDD1台で安上がりですし、
年数が経っても故障しても、
HDD交換を考えると買い替えしたほうがお得だったりします♪
メーカさんも、
RAID5という言葉を利用して売ることしか考えてないで、
正しい知識と、具体的な運用方法をわかりやすく説明して、
ユーザとのいい関係を築いてもらいたいですね
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